植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

スゲの仲間5月上旬

丘陵地の林床や林縁、谷戸など、木が茂って日影の湿った場所に多い植物がスゲ(菅)の仲間だ。地味で注目されない植物だが、「菅」の字が入る地名や人名は多い。昔から日本人には身近な存在だったのだろう。

 

カヤツリグサ科。イネ科に似た単子葉で、葉は根元から出ている。花の時期には花穂を出し、先端に雄花の集合した小穂(しょうすい)、その下に雌花の小穂を2,3個付ける。花びらは無いが、開花の時は毛のような雄花の葯(やく)や雌シベの先端(柱頭)を多数出す。図鑑によると5月に咲くものだけでも多くの種類があり、皆よく似ている。色々と調べたが以下の名称は仮のものと考えて欲しい。もっと勉強します。

 

イトスゲ(糸菅、画像上)

神社の境内の林床や林縁に多い。他の種類と比べて葉が細く、日陰の芝といった感じだ。花(小穂)も細長く小さい。苞葉(小穂の根元の小さな葉)が小穂より長いのが特徴。

 

ヤワラスゲ(柔菅、画像下)

谷戸の林床で大きな株になっていた。湿気が高い場所である。他に比べて全体に大型。花は終わりかけているようで花穂の先端の雄の小穂は小さくなっている。草全体が柔らかいのが名前の由来だ。

 

ヒゴクサ

多摩丘陵の高い木の多い半日陰の草むら。雌花の小穂に白い糸が絡まっているように見える。これは雌シベの柱頭で花の盛りの時は白い糸玉のようになる。名前の由来は肥後草らしいが、詳細は不明。一説には花穂を「竹ひご(籤)」に見立てたものとも。