ミズキは高木で、今頃樹冠に白い花をつける。小花は径8㎜ほど。細い花びら4枚が十文字型につき、4本の雄シベが交差するシンプルな作りで、密集した花序をつくる。遠くから見るとワタを被ったようだ。甘酸っぱい香りがする。
ミズキ科。春先に枝を切る(やったことはないが)と水のような樹液が滴るため水木という。日本全国の平地~山地に広く分布する。高さ10~20mで、水平に伸びた枝の先に葉が繁って段々状の樹形になる。街でよく見かけるアメリカハナミズキは同じミズキ科だが、花びらがなくそう見えるのは総苞片(ガク)である。
最近気になるのはキアシドクガ(黄足毒蛾)の大発生だ。毒はないがミズキを好むらしく、幼虫に食い荒らされて坊主になった木によく出会う。5月末ごろ一斉に羽化する。その後木は回復するらしく、今のところ枯れたものは見たことはないがちょっと心配だ。