植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

多摩川上流のノカンゾウ

関東地方も梅雨明けした。ここのところの猛烈な蒸し暑さが少し収まったような気がする。今日は久しぶりの奥多摩(東京都)だ。深い谷間は緑の木々に覆われ、日差しはきついが気温は下界より2~3度低い感じ。何より見上げる空の青色が澄んでいる。駅から数分で河原に出る。多摩川の水量は多めで流れは急だ。川下からの谷風もあって眺めていると実に涼しげだ。

 

川沿いの木々の中の道を歩くと、夏草の中にポツリポツリとノカンゾウ(野萱草)の花がみられた。先日紹介した類縁のヤブカンゾウは八重咲だが、こちらは一重咲きだ。色は少し渋い朱色で和風の趣がある。近場の平地ではまず見かけない。

 

ヤブカンゾウと違って種ができる。川面から10m以上ある道沿いに生えているということはそこまで水が来たのだ。巨岩がゴロゴロした光景とともに自然の猛威を想った。

 

この仲間(キスゲなど含む)はユリ科と思っていたが、遺伝子によるAPG分類でススキノキ科になったと書いた。しかし最近(APGⅣ、2016年)また変わってツルボラン科になっている。多肉植物アロエと類縁らしい。図鑑やネット情報も混乱している。ともあれ、美しいので園芸化されておりヘメロカリス(属名)という名で街中でそっくりな花を見ることがある。