好きな植物で毎年紹介している。近場では今頃が開花期で、日当たりが良く風が強い河原や丘陵地に多い。葉は普通ツヤのある濃緑色だが、この個体は珍しく全体に黄色っぽくて黄緑色をしている。
花の直径は4㎝ほどもあり野バラの仲間では大型だ。しかし花びらが変形していたり、微妙にピンク色が入っていたりして整っていないものがほとんどである。そのためか自然環境ではあまり目立たない。いかにもノイバラ(野茨)といった素朴な花である。
日本原産で、本州以南に分布する落葉低木。2~5mにも及ぶツルは立ち上がらず地面を這うように伸びる。ツルから短い側枝が出て先端に数輪の花序を付ける。この植物を基本原種として1890年代から欧米で育種が始まり、ツヤのある葉(テリハ、照葉)を持つ様々な色のツルバラの園芸種が創り出されている。