植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

イグサ(藺草)

標準和名は「イ」といい、日本最短だ。多摩丘陵の谷水田の畔に生えていたもの。

 

藺草といえば畳表に使われ、あの匂いを思い出す。都会のマンションでは畳はもう使われなくなっているかもしれないが、近所ではご町内に一軒ぐらい畳屋がまだある。最近は、純植物性で冬暖かく、夏はひんやりする畳が見直されているようである。

 

イグサ科の多年草。葉は退化しており、そのように見えるのは茎、正確には花茎である。長さは50㎝ぐらい。先端に地味な花の塊を付けるが、苞(ほう、花を包むガク)が茎のようにさらに伸びるので、茎の中間に花が付いているようだ。

 

日本全国の水田や湿地に分布する。かつて日本の農村ではほとんどの生活必需品を自給自足した。ここのイグサも栽培されていたものの名残かもしれない。