4月も下旬になり、多摩丘陵の新緑も落ち着いた色に変わってきた。今の時期、木の花は爽やかな印象を受ける白色のものが多い。そんな雑木林の林縁でウメに似た花をつけていたのがこの木である。わずかに紅色の入った白い球のようなつぼみも点々と星のようで美しい。
バラ科の落葉小高木。北海道南部以南の全国の丘陵地などに自生する。花期は4-5月。花の直径は1㎝ぐらいで丸い花びらがかわいい。葉は小ぶりのサクラのような形をしている。秋に小さなリンゴのような赤い実をつける。
材が緻密で硬く、鎌の柄などに使われたので鎌柄(カマツカ)という。また、これも牛の鼻輪に用いられたためサワフタギと同じウシコロシという別名がある。木の印象もよく似ているが、細かく見ていくとそれぞれ個性的である。