丘陵地の古い集落の近くを歩いていたら、畑地の草むらの中で白い花が目についた。草丈は40~30㎝ぐらい。ごく小さな花の丸い塊りがさらにいくつか集まって傘のようになっている。なかなか美しいと思う。
一見してセリ科と分かるが、この仲間の植物は特徴が少なく皆似ていて分類に困る。小花の花弁は5枚で花びらの先が切れ込み、5本の長い雄シベが目立つ。あと、花期が夏であることや、葉の形や付き方などからセリ(芹)そのものと考えた。
日本全国の水辺に自生する。用水路などに群生するセリは早春の風物詩だ。しかし実をいうと私には外来種のクレソンと見分けがつかず、ドクゼリなどというものもあるので、自然のものを摘んで食べたことはない。今の時期のものは太く硬くなっているので食用には適さない。