秋が深まって寒風が吹き始めると、サザンカなどを除いて街の木の花も寂しくなってくる。街を歩いていて生け垣に白い花が咲いているのに気が付いた。ヒイラギモクセイ(柊木犀)だ。クリスマス(もう来月だ!)のシンボル的なヒイラギ(柊)とはちょっと違う。
モクセイ科モクセイ属。同属のギンモクセイ(銀木犀)とヒイラギも同じような白い花だ。ヒイラギモクセイはこれらの雑種(ハイブリッド)と考えられている。なお香りの強いキンモクセイ(金木犀)はギンモクセイの変種である。ヒイラギモクセイにも似た香りがあるが近づかないと感じない程度だ。
3種類とも街で見かける。見分け方は、ヒイラギの葉はご存じのように大きな鋸歯(葉の周りのギザギザ)の先が痛そうなトゲになっている。一方ギンモクセイの葉には鋸歯がない。ヒイラギモクセイは中間で、ヒイラギより大きめの葉に鋸歯というよりは直接トゲが付いている感じだ。トゲが防犯に役立つのと、丈夫でむやみに大きくならないのでよく生け垣などに使われている。
雌雄異株で雄株のみが知られており、結実しない。もっぱら取り木(枝の途中にミズゴケなどを巻いて根を出させ、切り離して植える。)で増やす。花は径1㎝弱で枝の途中に丸くかたまって付く。花弁は4枚に分かれて2本の雄シベが突き出しており、中心に退化した雌シベが見える。拡大すると花束のようだ。