赤い実(み)が美しい蔓(つる)性の木なので昔の呼び方で実(さね)蔓(かずら)。古事記や万葉集にも記載があり、かつては蔓から出る粘液が男性の整髪料として使われたので別名ビナンカズラ(美男蔓)という。
マツブサ科というあまり聞いたことのない種類。同じ科によく寺社に植えられているシキミがある。関東地方以西の山野に自生し、庭木やフェンスなどに使われているものも見かける。
花期は7、8月で花は目立たない。実は径1㎝ほどの球形でツヤのある赤色をしており、長い柄の付いた直径3-4㎝の集合果になる。食べても味はしないそうである。図鑑では常緑とされているが、画像のものはかなり葉を落としており、残ったものも赤く色づいている。なかなか趣(おもむき)のある色合いが初冬の弱い陽光にも映える。