植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ツタが描いた絵

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朝、駅で電車を待っていたら、向かいの白いフェンスにツタがツルを伸ばしていた。変わった模様だったので写真を撮った。隣で待っていた人は何を撮っているかわからないようで、変な顔をしていた。電車が来たのでそそくさと乗った。

 

どうです、遠くの山のように見えませんか。水墨画みたいなタッチでなかなかシブイ。主脈から長い支脈が横に多数出て一旦上がってからなだらかに垂れていく。脈ごとに同じぐらいの大きさの葉が並ぶ。ちょうどツタの葉が赤くなりかけていて題名「紅葉の山」といった感じだ。

 

ツタ(蔦)はブドウ科ツタ属のツル性木本である。ツルの先端の巻きひげが強力な吸盤になっていて、垂直の壁でも平気で這い上がる。名前の由来は他の植物などに「つたって」伸びるからだそうである。英語でアイビーというが、ウコギ科のキヅタ類をさすことが多い。

 

童謡・唱歌の「もみじ」に、「…楓(かえで)や蔦(つた)は、山のふもとの裾もよう。」とある。その風景を、ツタ自身が描いているようで面白い。