晴れてはいても寒風が吹く中咲いている桜だ。前回と同じ公園で教えていただいたもの。高い木で、上の方で他の木に紛れて咲いているため今まで気が付かなかった。名札にヒマラヤザクラとある。
20世紀後半にネパールの元国王から日本の桜などと交換に贈られたとのこと。その子孫であろう。ヒマラヤの高地に自生し、30mの高木になるそうである。寒冷な気候のものが、高温多湿の日本でよく定着したものだ。
花びらは薄いピンク色で中心部の色が濃い。多数の雄シベが突き出していて、花の中心が黄色く見える。花びら全体がやや抑えた感じのピンク色のものもあるそうである。受粉のため、たくさん花を付けて数少ない冬の虫を集めているのだろう。新葉が花と同時に出るタイプで、幹や枝はヤマザクラに似てつややかだ。
花期は11月から12月。この時期園芸種の寒桜は時々公園や庭で見ることがある。ただチラホラ咲きに近い感じで寂しい。近場では真冬の2月に花盛りになる河津桜(カワヅザクラ)が有名だが、今頃満開のものはちょっとないのではないか。