いつもの街中の川。12月も末だが、冬晴れで日向はまだ温かい。川面には快晴の空が映ってさわやかだ。微風が吹いており、小さな綿毛のようなものがチラホラ飛んでいる。川を見ると枯れた長い葉と白い綿毛のカタマリが付いたものが並んでいた。ガマ(蒲)の穂だ。これまで背の高いアシやブタクサなどに隠されており、それらが枯れて消えると目立つようになったようだ。
ガマ科の多年草で世界中の水辺に分布する。背丈は1m以上ある。花期は夏6-8月。串に刺した茶色のソーセージのような形の花はご存じと思う。一部にまだ形が残っている穂がある。これが成熟して乾燥すると何かの刺激ではじけて綿毛のカタマリのようになる。タンポポのように一気に飛ぶものではないようである。
水に落ちると綿毛が取れて種が水中に沈みそこで芽を出す。都市河川はコンクリートで固められているが、その割れ目などに根を下ろしたのだろう。強固に地下茎を張り、いつの間にか土砂がたまって川中に群落を作っている。
増水した時は問題かもしれない。しかしカモたちの住処やエサになり、富栄養化した川の汚水と二酸化炭素を吸って浄化している。これくらいは良いのではないかと思う。