相模川の河原には護岸との間に水が溜まってところどころ湿地帯のようになっているところがある。そこに大きな群落を作っていた。遠目には白くしか見えないジミな花である。
よく見ると花の先端がちょっとだけ薄紅色に染まっている。私には和風の感じがして、お白粉と口紅を付けた京人形の童女が連想される。なんともカワイイ。以前別の場所のものを紹介したことがあるが、その時は薄紅色が強くずっと華やかな印象だった。色づき方に結構幅があるようだ。
タデ科の一年草。日本全国と東アジアに分布。葉が「ウシノヒタイ(牛の額)」と呼ばれる独特の形をしているので見分けられる。花は開いても径5㎜ぐらい。ただしタデ科の特徴で花びらに見えるのはガクである。
田畑の用水路周辺など水辺に群落を作っていることがある。溝の周りに多く花がソバのものに似ているので「溝蕎麦」である。かつては溝の周りをびっしり埋めていただろう。今はコンクリートで固められてそんな環境もなくなってしまった。