1か月ほど前(11月17日付)に、駅のフェンスに広がったツタが描く模様が風景画のようだと紹介した。その後紅葉が進むとともに葉が落ちて、葉に隠れていた枝(張り付いたツル)が現れ、より大きな絵として眺めることができるようになった。隣のフェンスのものも含めて障壁画(しょうへきが)のようだ。昔の日本の城のフスマや屏風に描かれた絵のことで、豪壮な山水などが描かれる。ちょっとタッチが似ている。
毎日変化する。大きな葉から落ちるので、若い小さな葉が残って遠景の木立のように見えるのが面白い。しかし見れば見るほど枝(ツル)が山の稜線や谷に見えてくるから不思議である。下の方の枝が混んだ部分を近景の林とすると、景色の奥行きまで感じる。
朝は次々と電車が来てひっきりなしに人が乗り降りする。ちゃんと見えるのは電車が行った直後だけだ。慌ただしくて、気づく人もいないようだ。