かしのき山自然公園(東京町田市)にテイカカズラの大きな株がある。2mぐらいの架台がしつらえてあって、びっしりと絡みついている。自然のままだと絡みついた木を枯らしてしまうだろう。花期の6月頃は香りの 良い白い花でいっぱいになる。
キョウチクトウ科のつる性の木である。常緑の葉は長さ3~7㎝の舟型で、ツバキを思わせる厚みとツヤだ。たまに真っ赤に紅葉した葉が付いている。
今の季節は何もないと思っていたら写真を撮っている人がいる。近づいてみると「テイカカズラの実だよ」と教えてくれた。葉と同じ緑色なのでわかりにくいが、10~20㎝ぐらいの先の尖ったチューブ状のものがある。さらに目を凝らすとそれが茶色に変色して裂け、白いものが飛び出している。大きなタンポポみたいな綿毛の付いた種だ。そうかとんでもないところに生えているのはこうして種を飛ばすためか。
改めて周囲を見ると足元にたくさん幼木が生えていた。以前紹介したが、テイカカズラの幼木は成木とは別種かと思うほど似ていない。葉は1~2㎝で葉脈が白くクッキリと目立つ。
街中でもたくさん見かける。これまで気が付かなかったが、目が慣れたのか生け垣などでいくつも実を見つけた。