河原決明。河原などに多く、黄色の花や多数の小葉からなる羽状の葉が同じマメ科のエビスグサ(実が決明子(けつめいし)という漢方薬)に似ているのが名前の由来である。この草自体も薬効が知られており、健康茶としても飲用される。
草丈は40-50㎝。マメ科の花は5枚の花びらの形が違っており上下左右に広がる蝶型花と呼ばれるものが多いが、この植物は同じ大きさの卵型の花びらが5枚である。花は長さ1㎝程度でちゃんと開かず筒状になっている。面白いのは実で、長さ3-4㎝。豆の鞘が上向きに突き出して並ぶ。
いわゆるパイオニアプラントである。日当たりの良い場所を好み、がけ崩れなどで地肌が出た場所や、増水ごとに植物が更新される河原などにいちはやく入り込むが、多年草が生えてくると消えてしまう。昔は河原などに群生していたそうだが、多年性の外来種の増加で現在は絶滅危惧種になっている。そのため多摩丘陵では公園の一角で保護されている。この画像もそこで撮ったもの。なおツマグロキチョウという小さな蝶の食草としても知られており、一緒に絶滅が危惧されている。