センリョウ科。雑木林の薄暗い林床に自生しており、春に5~10㎝の白い花穂を1~3本出す。通常は2本で、同じ科で花穂が1本のヒトリシズカに対してフタリシズカ(二人静)だ。
花びらもガクもない。白い粒に見えるのは縮んで丸まった雄シベである。内側に葯(やく、花粉の袋)があり、内部の雌シベを包むような形になっている。
雑木林の林床は、大きな木と下生えの灌木の更に下になる。上の方が風でざわめいていても音は聞こえない。そこに咲く青白い地味な花は、寂しさを通り越して幽玄さすら感じる。名前は能楽の「二人静」から。そのたたずまいを、舞う静御前と義経の亡霊にたとえたものだそうである。