これも目立たない小さな花。果樹園の木の根元で他の草に覆われそうになりながら咲いていた。野の花に興味を持つようになり、多摩丘陵を歩くようになって数年経つ。だんだん見えてきた景色だ。
一見してシソ科とわかるカタチだ。草丈は10㎝ぐらいで小柄。花はガクを含めて5~6㎜で、拡大すると紅色を帯びた極小の花びらが可愛らしい。
名前は輪状で段になって咲く花序の形から、五重塔の「塔花」である。この型の花序を持つ植物はホトケノザなどシソ科に多いが、一番小さいのではないか。それで「塔」とは面白い。いや、今の時期は小さいが、意外と日向では大きくなるタイプかもしれない。