多摩丘陵の真っただ中、東京都町田市小野路町の「関屋の切通し」。鎌倉古道の一つだがよく保存されていて切通しの赤土の壁面が観察できる。見えている分だけでも厚さ6-7mあるだろうか。いわゆる関東ローム層である。富士山や箱根火山の火山噴出物が風で運ばれて堆積し、変化したもので、ほとんど層理(粒子の大きさによる分離)がみられないのが特徴だ。
その中に白い地層が見える。厚さは20㎝ぐらいで、斜めに伸びて湾曲している。近づいてよく見ると径1㎝ぐらいの粒や断片からなっている。調べると、どうやら「東京軽石層」と呼ばれるものらしい。(間違っていたらゴメンナサイ。)東京都下の武蔵野台地などでは数m掘るとこれに当たるとのこと。
6万6千年前、箱根火山が史上最大級の爆発を起こした。その時吹き上げた火山灰や軽石が偏西風で関東一円に広く堆積したものだ。つまりこの線は当時の地表を表している。圧縮されているので元はもっと厚かったはずだ。60㎞以上離れているのにこれだけ堆積するのだからすさまじいものだっただろう。