花を上から見ると鳥が羽を拡げている様に似ている。紫の濃い部分が頭、黄色の模様が背中だ。そう言われると、薄紫のサギ(鷺)が様々な向きで群れているように見えてくる。
昔から「コケ」というのに違和感があった。もちろんゴマノハグサ科の被子植物である。小さいことの表現なのだろう。確かに春先に地面にはりついて花を付けている様子は苔のような印象である。
雑木林の林縁の湿地に広がって群落を作っていた。花の上弁(紫の濃い部分)の先端が深く切れ込んで尖っているのが特徴である。同じ科のトキワハゼと全体によく似ているが切れ込みは浅いか無い。シソ科のカキドオシとも似ているが、花をじっくり見ると違いは明瞭である。