雑木林の中の小道を歩いていてふと見ると、木の葉の上に真っ赤な虫がいる。こんなに目立つ色で鳥などに狙われないのかと思う。上方は木が覆っているので、空からの攻撃からは一応死角になっている。あと赤は警戒色というか、天敵が嫌うのかもしれない。
調べると名称は見た目そのままでベニカミキリだ。体長1.5㎝ぐらい。黒光りする体に、落ち着いた紅色の翅が美しい。胸部の5つの黒点がアクセントになっている。成虫で越冬して今頃出てくると、木々の花に集まり、花粉や蜜を食べる。そういえば頭上のクリやガマズミなど木の花は今盛りだ。ここで出会ったのも偶然ではないようだ。
本州から九州に分布。幼虫は枯れた竹の中でそれを食べて育つ。枯れかけた竹も食べるので、竹林の害虫とされている。オスは触角が体長の2倍ぐらいあり、羽根に黒点がある。画像の個体はメスのようである。