道路脇の街路樹の根元をよく見ると、ハコベをずっと小型にしてスリムにしたような植物が生えていることに気づく。夏には多数枝分かれして広がり、実をびっしりと着けているのを見たことがある。アスファルトやコンクリートの隙間などにも平気で生えている。極小の種が車の通過で舞い上がって入り込むのだろう。
ナデシコ科ハコベ属。これも径1㎜ぐらいの極小の花だ。「蚤の綴り(粗末な衣)」とは小さな葉を微小な虫の衣に見立てたもの。ノミと言われても実物を見た経験がない。目に見えないほど小さいらしい。類縁のノミノフスマ(衾、布団のこと)は5枚の花弁が二裂して10枚に見えるタイプでこれまた小さい。
注意していると、市街地の交通量の多い道路沿いに結構見られる。同じ場所に生えていたのは、シロバナマンテマ、トウダイグサ、コバンソウ、キキョウソウ、スミレなど意外にキレイなものがある。市街地に適応した植物だ。