しばらく身近な草の地味な花が続いたので、目が覚めるようなものを入れてみた。
この植物は草丈がせいぜい20㎝と小柄。花の直径は1.5㎝ぐらい。ワスレナグサなどの仲間(ムラサキ科)の中では大きい部類である。草むらに紛れるように点々とルリ色の花を咲かせているところを、ホタルにたとえたことが名前の由来である。確かに、花色は赤紫から深いルリ色に変わって夜のイメージだし、中央の5本の白い稜は星形で光を思わせる。
近場では道沿いの林縁で2か所ほど自生しているのを見かけた。意外に市街地に近い場所である。しかし、他の植物に埋もれてよい画(え)が撮れなかった。まとまって咲いているところを探したところ、薬師池公園(東京都町田市)の万葉植物園にあった。よく手入れされており、若葉とともに鮮やかなルリ色の花がよくわかる。じっと見ていると、醸し出す清浄で爽やかな空気の中に吸い込まれそうになる。