植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

アズマイバラ

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雑木林の林縁に野バラが咲いていた。シューベルトやウェルナーの歌曲「野バラ」は、ゲーテの同じ詩につけられた曲である。彼らが見ていた野バラはヨーロッパ系の別種だが、曲から感じられるイメージは明るく清純で懐かしい。日本の野バラも変わらない。

 

多摩丘陵で見られる野生のバラは3種類知られている。ノイバラ、テリハノイバラ、そしてこのアズマイバラである。関東地方に多い種類なので、漢字で書くと「東茨」だ。別名、オオフジイバラ、ヤマテリハノイバラ。図鑑やネットのサイトによって名称が異なる。

 

見分け方は、小型の花で香りが強く毛が多いものがノイバラだ。テリハは蔓が地を這うが、ノイバラとアズマは立ち上がる。葉はアズマとノイバラは小葉が5枚か7枚。テリハは小さくて光沢の強い小葉が7-9枚である。花の大きさは、アズマ>テリハ>ノイバラの順だ。

 

先に紹介した高地に自生するフジイバラとよく似ているが、先端の小葉が大きくて鋭くとがっている点で異なる。下の画像は、葉の特徴がよく出ている。花は径3㎝以上ありフジイバラより大きいかもしれない。ただ、形が整った花が少ないのはいかにも野生種だ。

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一緒に写り込んでいる紅い実はウグイスカグラだ。小さな花からは想像できない見事な実になる。わずかに甘くて食べられる。