トウダイグサの花はじつに変わっている。全体に黄緑~黄色の葉が折り重なっているので構造がわかりにくいが、奇妙な形の丸っこいものは雌シベが膨らんだ若い実で、黄色い粒は雄シベだ。同じ科でよりシンプルな花のニシキソウのところで解説したので(2020-09-20)参照してほしい。
中心部が雄シベなどで黄色くなっている盃状の花を灯火、葉を昔の燈台(とうだい。小皿に油を入れ、芯を付けて火を灯すもの)に見立てた名前である。
葉は互い違い(互生、ごせい)に生えるが、先端のほうでは5枚の盃(さかずき)状になった葉が1か所からぐるりと並ぶ(輪生)。それに総苞(そうほう、複数の雄シベ雌シベを包むガク)に囲まれた雄シベ雌シベが乗っている。他の科にはちょっと類例がない。先端の葉に大きめのギザギザ(鋸歯)があってカニなどの甲殻類を思わせ、さらに異様な感じを受ける。
道端で普通に生えている雑草である。茎を折ると乳液が出て、触るとかぶれる。全草に毒がある。見た感じからも毒があるように見えるから不思議である。