植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

トウダイグサの花

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トウダイグサの花はじつに変わっている。全体に黄緑~黄色の葉が折り重なっているので構造がわかりにくいが、奇妙な形の丸っこいものは雌シベが膨らんだ若い実で、黄色い粒は雄シベだ。同じ科でよりシンプルな花のニシキソウのところで解説したので(2020-09-20)参照してほしい。

 

中心部が雄シベなどで黄色くなっている盃状の花を灯火、葉を昔の燈台(とうだい。小皿に油を入れ、芯を付けて火を灯すもの)に見立てた名前である。

 

葉は互い違い(互生、ごせい)に生えるが、先端のほうでは5枚の盃(さかずき)状になった葉が1か所からぐるりと並ぶ(輪生)。それに総苞(そうほう、複数の雄シベ雌シベを包むガク)に囲まれた雄シベ雌シベが乗っている。他の科にはちょっと類例がない。先端の葉に大きめのギザギザ(鋸歯)があってカニなどの甲殻類を思わせ、さらに異様な感じを受ける。

 

道端で普通に生えている雑草である。茎を折ると乳液が出て、触るとかぶれる。全草に毒がある。見た感じからも毒があるように見えるから不思議である。