今年は季節の進むのが早くもう梅雨のような気候になっている。今頃、民家の庭や公園の植え込みなど至る所で黄色い花を次々とつけている木がある。キンシバイとビヨウヤナギである。どちらもオトギリソウ科の樹高1~1.5mの小低木で、外見はよく似ている。実際、同じものと思っていた。
キンシバイ(金糸梅)は中国原産で、江戸時代に渡来した。花は梅のような五弁で、大きく開かず、枝先に垂れる。雄シベは花弁より短い。葉が対生(2枚が向き合う)でだいたい同じ角度で並ぶ。
名前は雄シベが金の糸のように見えるから。それをいうならば、ビヨウヤナギの方がふさわしいように思う。見た目からだと間違ってしまう。類縁の西洋キンシバイは雄シベが長く、よりビヨウヤナギに似ている。
ビヨウヤナギ(画像下)も中国原産で、日本では古くから栽培されている。花全体が山吹色でキンシバイより大きな径5㎝ぐらいの花が上向きに咲く。雄シベが花弁より長い。葉は十字対生(対生の葉が直角に続く)で、形がヤナギに似ている。ビヨウはビョウとも、漢字で美容とか未央とか書かれる。中国では金糸桃と呼ばれている。
これらの植物はあまり大きくならずに見栄えがするので庭植えにピッタリだ。そのため色々な品種が作り出されていてややこしい。どんな植物でも園芸種はちょっと苦手である。識別が難しいのと、狙って作ったのだから大きくてきれいなのは当たり前でしょ、と思ってしまうためである。(偏見)