植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

キブシの実

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今日は走り梅雨のような天候で、丘陵地の雑木林の緑の葉もしっとりと落ち着いている。エゴノキやウツギなどの白い木の花は盛りを過ぎ、今はスイカズラの白と黄色の花が甘い香りを漂わせている。

 

ふと見ると目の前の木の葉陰に、緑の実の房(10㎝ぐらい)が多数ぶら下がっている。葉は楕円形で先が尖り、周りのギザギザ(鋸歯)が大きく独特の風合いがある。なんとなく予想が付いたが、後で調べるとやはりキブシの実であった。春先3月に小さな薄黄色の丸い花を多数付けた花房(はなぶさ)が木全体に垂れ下がる。まだ木の芽もあまり出ていない頃なので良く目立つ。いつの間にかこんな実になっていた。実の付き方が花の付き方と印象が同じなのには少し笑ってしまう。

 

キブシ科というから、他の科と異なる特徴を持っている。小さなレモンのような形をした実は熟すと黄褐色に変わる。実が染物に使われる五倍子(ふし、ヌルデの虫こぶ)の代わりに使われたことが、キブシ(木五倍子)の名前の基になった。