東京調布市野草園は神代植物公園の近くの武蔵野台地にある。ここは多摩川の河岸段丘が発達しており、その崖(がけ)は雑木林になっていて水が湧いているような場所だ。しかし、開発により今はかなり失われている。野草園はそのような武蔵野の原風景を保存しているところだ。
日陰や林縁の湿地を好む植物が多い。期待して行ったホトトギスは盛りで、珍しい植物もあった。なお、開園は10月いっぱいなので、見に行くなら今のうちである。
画像はシュウメイギク(秋明菊)である。秋が明るいと書くので、今の時期にふさわしい。中国からの古い時代に入ってきた帰化植物。「菊」という名だが、キンポウゲ科だ。例によって花びらに見えるのはガクで、八重咲である。
ちょっと萎(しお)れたように見えるが、赤紫色でヨレッとしているのが本来の特徴らしい。今は色々な園芸種が出回っている。この花はバラやダリアにも似ているが、一味違った魅力がある。