植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

石の花

輝沸石とセラドン石

コロナ禍で屋内の生活が多くなった。そんな時、机の上に置いて時々ひねくって楽しんでいる石がある。眺めながら物思いにふけったりする。 画像は輝沸石(きふっせき)である。数年前伊豆半島の河津町浜海岸まで行って探したものだ。伊豆火山群の溶岩が海にな…

トルコ石

だいぶ前のミネラルフェアで買ったもの。飾っていたらホコリがついてしまいいつの間にか忘れてしまっていた。最近気づいて水洗いしたら画像のように光を取り戻した。トルコ石は小さい粒だが、目の覚めるような鮮やかな空色である。いわゆるターコイズ(トル…

レインボーガーネット

ザクロ石(ガーネット)は二つの構成元素の組み合わせでかなり種類がある。画像に示すのは灰鉄柘榴石(かいてつざくろいし、アンドラダイト)と呼ばれるものだ。カルシウム(石灰)と鉄のケイ酸化合物である。鉄を含むせいか、母岩も含めて全体に鉄サビのイ…

ルビーシルバー

銀の鉱物は何種類か知られているが、赤紫透明のものがある。その華やかさからルビーシルバーと呼ばれる。金属である銀の質感からは想像もできないような色だ。買ったのはだいぶ前なので表面がくすんでいるが、かつてはもっと透明感があった。ガラスのような…

アレキサンドライト

以前ミネラルフェアで買ったもの。宝石質ではないためあまり高価ではなかった。ベリリウムとアルミニウムの酸化物で、クリソベリル(金緑石)の仲間だ。ウラル 山地で初めて発見されたので当時のロシア皇帝の名前が付いている。 これはアフリカ・タンザニア…

方沸石(ほうふっせき)のキラキラ

径1-2ミリのコロッとした小結晶の集合体である。結晶は偏方24面体(トラペゾヘドロン)。一つの面が不等辺四角形をしているが、結晶同士の干渉のためか段差があって理想的な形にはならない。直接光を反射するだけでなく、結晶内部を通過した他の面の反射光が…

魚眼石のキラキラ

昔からキラキラした結晶が大好きである。ミネラルフェアなどで鉱物を買ってきては、光にかざして楽しんでいる。 画像はインド産の魚眼石(ギョガンセキ)だ。水晶(ケイ酸の結晶)みたいだが、カリウム、フッ素などを含むカルシウムのケイ酸塩化合物である。…

蛇紋岩(じゃもんがん)

これもミネラルショーで買った北海道産。かんらん岩が変化したものだ。表面に光沢がある濃い緑色の岩石である。比較的柔らかく鉄釘で傷がつく。割れた面もツルリとしてスベスベした手触りだ。 接写すると、濃いモスグリーンと白い半透明の脈が乱流のように混…

かんらん岩

画像は今年の池袋ミネラルショーで入手したもの。90%以上が薄い緑色の苦土かんらん石からなり、ダナイトと呼ばれるものである。透明感のある緑の色合いが美しい。なお濃い緑色の粒は透輝石、黒光りする鉱物はクロム鉄鉱である。ちなみに「かんらん(橄欖)…

石の花:翠銅鉱(すいどうこう)

赤、青ときて今度は緑の石の花だ。画像は翠銅鉱という銅の鉱物である。緑といっても青緑か暗緑色といった方が良いだろう。カザフスタン産で、最初に発見されたときはエメラルドと間違えられたそうだ。 ガラス光沢だが、結晶の中に微小な割れ目(劈開面)があ…

石の花:青金石(せいきんせき)

今度は青い石の花。色から想像されるようにラピス・ラズリ(瑠璃、るり)の主成分の鉱物である。大理石の中に結晶が埋もれており強烈な存在感を放っている。透明感はなく、粘土のような柔らかそうな質感だが、結構固い(モース硬度5-5.5)結晶だ。鉄(硬度4-…

石の花:辰砂(しんしゃ)

無色とか地味な石の花が続いたので、赤い辰砂の結晶を紹介する。 これもミネラルショーで手に入れたもの。苦灰石の白い結晶中に埋もれている。水銀と硫黄からなる鉱物なので直接触らないほうが良い。机に置いて見ている分には問題はないと思う。 この結晶の…

石の花:頑火輝石(がんかきせき)

これも今度の池袋ミネラルショーで手に入れたもの。野の花を思わせる鉱物結晶の一つである。 耐火性能に優れているので、「頑火」と名付けられた輝石の仲間である。「菊寿石」の名で水石として鑑賞されているそうだ。 鉱物の大きな結晶は母岩の空隙にできる…

石の花:方沸石(ほうふっせき)

水晶みたいだが全く異なる鉱物で、火山の熱水の作用でできる沸石の一種である。溶岩の空隙などによく結晶ができている。丸っこい結晶の結晶面を花びらに見立てると、連なって咲いている植物の花にも見えてくる。 画像は今年のミネラルショー(池袋)で入手し…

石のバラ(薔薇)

前回、「氷の花」について少し触れたが、それで思い出したことがある。そういえば「石のバラ(薔薇)」もあったな、と。 画像は輝沸石(きふっせき)という鉱物の結晶群(伊豆河津町菖蒲沢産)である。全体が無色透明なのでややわかりにくいが、細長く伸びた…