植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

葉山層群:黒緑色の地層

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 ここ3回、蛇紋岩についての話題であった。これには、先日の立石海岸での観察(1112日付)が動機になっている。付近は三浦半島で一番古い葉山層群(2000-1500万年前)と呼ばれる地層からなる。

 画像はその時拾った小石である。左側は「立石」に続く海岸を作っている岩だ。全体に風化して茶褐色だが、波に洗われた破片は黒緑色がかっている。左側は褐色がかった黒緑色の砂岩様で、柔らかい。所々に黄緑色の結晶(輝石?)が含まれていてキラリと光る。右側は、きめが細かくやや硬い礫である。蛇紋岩に見えたがどうも違う。表面は黒緑色で、割ると緑のまだら模様が見える。割った当初はもっと鮮やかな色だった。すぐくすんでしまう。

 これらはかなりの厚さを持つ地層を構成しており、長期間堆積したものである。では元となった砂礫はどこから来たのであろう?三浦半島や房総半島には蛇紋岩の岩体があることは知られているが、規模は小さいようだ。近辺で断層によるかんらん岩体の大規模な上昇はちょっと考え難い。それに二次的に堆積したのなら途中で風化してこんな色にはならないだろう。

 色々調べてたどり着いた考えが前回述べた蛇紋岩海山だ。藤岡先生の本の読みカジリだが、深海で蛇紋岩が火山のように噴出する現象(泥火山)があるという。まき散らされた蛇紋岩質の砂礫が堆積したと考えると腑に落ちる。もちろん根拠はないが…。