植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

カンアオイ

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 アオイというと、夏の風物詩、タチアオイアオイ科)思い浮かべるかもしれない。しかし、これは真逆で、なんと冬に花が咲く。地味というかやや陰気な感じのする植物だ。特徴から見てカントウカンアオイという種類と思われる。

 日本固有種のウマノスズクサ多年草。葉が冬も枯れないため寒葵の名がある。徳川の葵の紋所の元になったとされるフタバアオイは近縁である。観葉植物のようなハート形の葉は長さ67センチぐらい、形や模様にバリエーションが多い。

 場所は多摩丘陵の一角で、昼なお暗い雑木林の中だ。今の季節は葉が落ちて少し明るくなり、下草も枯れるのでようやく生えていることがわかる。ただし、よほど気を付けて探さないとみつからない。

 葉の根元に地面に接して直径2センチぐらいの小さな花が咲いていた。先が三つに広がった釣り鐘型で赤紫の模様がある。これはじつはガクで、丸い穴が印象的な実にユニークな形をしている。

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