かしの木山公園は、雑木林の葉が落ちて明るくなり中が見通せるようになった。すると地面や木の幹など至る所で濃い緑色のツタが見受けられた。当たり前のように生えていて今まで気にもしていなかったのだが、調べてみると(セイヨウ)キヅタという名前だった。
欧州原産のウコギ科のつる植物で、常緑性。学名からヘデラともいう。落葉する通常のツタはブドウ科であり近縁関係はない。画像のように若い葉は掌状で五裂しておりツタの葉に似ているが、成長すると切れ込みがなくなってハート形になる。付着根を出して木の幹も家の壁も這い上がる。
日陰や低栄養に強く、成長が早い。葉が小さくて白い模様がある園芸品種は街でよく見かけると思う。だいぶ前だが寄せ植えの小さな鉢をいただいた中に混じっていたことがあった。狭い庭に植えたところ、ひと夏で全体を覆ってしまい、抜くのに往生した記憶がある。
鳥が実を食べて種をまくのでどんどん分布を広げている。侵入植物として本来の植物を枯らしてしまう。多摩丘陵の雑木林を保存するためにも、対応を考えなくてはならないかもしれない。