これもミネラルショーで買った北海道産。かんらん岩が変化したものだ。表面に光沢がある濃い緑色の岩石である。比較的柔らかく鉄釘で傷がつく。割れた面もツルリとしてスベスベした手触りだ。
接写すると、濃いモスグリーンと白い半透明の脈が乱流のように混じりあっている。黒い流れや渦を巻いているような部分もあり、見ていて飽きない。この模様がヘビの皮を思わせるため、「蛇紋」の名がついた。
マントルの構成成分であるかんらん石はマグネシウムと鉄のケイ酸化合物である。これは地殻内や地上では水や炭酸ガスと反応して緑色の蛇紋石へと変化する。マグネシウムや鉄の一部は反応して白いマグネシウム鉱物や黒光りする磁鉄鉱が生じる。そのため蛇紋岩には白や黒の岩脈がある。
地下深くのマントルから地表に上ってくるときどんな現象が生じたのであろうか。興味は尽きない。