植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

立石海岸

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 横須賀市に属するが、逗子(ずし)駅から路線バスで葉山(はやま)を過ぎてすぐの位置にある。まさに湘南。キラキラの海と遥か富士を望む海岸線が絶景である。

 「立石(たていし)」は、海岸から突き出した高さ12メートルの岩だ。波の浸食による造化の妙である。江戸時代からの名勝とのこと。津波や台風も無数にあっただろうに、崩れず立っているのは奇跡といえるだろう。

 直下まで歩いて行けた。足元の岩は緑がかった黒い凝灰岩で、風化して茶色になっている。岩のかけらは手で簡単に砕ける。まだ完全に岩石になっていないようだ。

 この付近は、葉山層群と呼ばれる2000万年~1200万年前の地層だ。神奈川県では古いほうだ。丹沢地塊が関東山地に衝突する前に東側の海底に堆積した土砂からなり、丹沢とともに盛り上がったものである。三浦半島と房総半島の基礎となる地層で、両者は海を隔ててつながっている。ちょっと見ただけでも、地層が傾斜・褶曲していたり、断層があったりして、複雑な地質変動を受けていることがわかる。