画像は今年の池袋ミネラルショーで入手したもの。90%以上が薄い緑色の苦土かんらん石からなり、ダナイトと呼ばれるものである。透明感のある緑の色合いが美しい。なお濃い緑色の粒は透輝石、黒光りする鉱物はクロム鉄鉱である。ちなみに「かんらん(橄欖)」とはオリーブのことで、独特の緑色に由来する名前である。
産地は有名な北海道様似町幌満である。ここでは北海道の中央を走る大断層に伴い、地下深くにあるはずのマントルの岩石がせりあがってきている。
地球の表面は厚さ30-40キロメートルの地殻(ちかく)でおおわれており、マントルはその下に位置している。厚さは2900キロメートルもあり、上部マントルはかんらん岩を主成分とするとされている。つまり地球全体から見ると最も多い岩石なのである。しかし密度が高い(重い)ため地表に現れにくく、地表に出ても不安定で水や炭酸ガスと反応して、蛇紋岩(じゃもんがん)という岩石に変化する。そのため「生の」かんらん岩は大変珍しいものなのである。