今頃咲きそろうノカンゾウ、ヤブカンゾウやキスゲの仲間は、ユリ科ヘメロカリスHemerocallis属に分類される。これらは園芸種も含めてヘメロカリスと総称される。花が一日限りで終わる性質があるために、ギリシャ語のヘメラ(一日)とカロス(美)を組み合わせた学名で、英語ではdaylilyだ。
花は一日で萎んでも、多数のツボミを付けており次々と咲き続ける。日本語では古くからワスレグサ(忘れ草)と称する。これは毎日入れ替わるため、心の憂さをリセットして忘れるという意味だろう。
画像は街路樹の根元に植えられていたもので、ノカンゾウと比べると大型で色も赤色が強く派手である。日本を中心とした東アジアに自生していたものが欧米で改良された結果だ。野生のものは河川の堤防などの草むらに人知れず咲いている。これだけ奇麗なものがちょっとモッタイナイなと思っていたので、園芸種ながら街中で見られるのは良いことかもしれない。