夏の終わりから秋に咲くタマスダレそっくりだが、葉が幅広。また最近よく見かけるスリムなタイプの花のチューリップとも似ている。実際、古い資料ではチューリップ属とされていた。日本の里山に自生しており、「チューリップの原種が日本に!?」と驚いたことがある。今はユリ科のアマナ属ということになっている。ちょっと残念だ。ちゃんと球根も持っており、これが食べると甘いそうで、甘菜という名前の由来だ。
花壇や庭先に植えられているものを見ることがある。しかし、春の花は皆カラフルで絢爛豪華なので白いこの花は足元の彩(いろどり)といった感じ。
ツボミが白いストライプの入った流線型でかっこいい。ツボミの緑色のカバーは苞(ほう)と呼ばれる葉の一種で、咲くと花の下に来る。花の下に葉があることがチューリップとの相違点である。花は晴れた日には大きく開き、曇りの日には閉じる。そのうち雑草に埋もれて夏には消えてしまう。