近場で自生するキイチゴの一種。他の種類がすべて白色の大きな花であるのに対して赤紫色の小さな花である。近所のヒラドツツジの植え込みに紛れて多くの花を付けていた。後ろにある同じ色でぼやけたものはツツジの花である。
他の種類より一月ほど遅れ、稲の苗代(なわしろ)を作る今頃開花する。花といっても2-3ミリでごく小さく、赤紫色の点にしか見えない。拡大すると、星形に開いたガクの中央に雄シベを囲むようにごく小さな5枚の赤紫色の花弁が取り巻いている。花びらは展開せず萎み、雄シベとともに枯れたようになる。2か月ほどで雌シベの子房が膨らんできて西洋キイチゴに似たツブツブの赤い実になる。