以前テイカカズラの幼木について紹介したが、成樹になってこれほど印象が変わる植物も珍しい。初めのころは蔓(つる)から気根を出して木の幹を這い上る。成長とともにへばり付いていた丸っこい葉は幹を離れ、披針型(笹の葉のような形)に姿を変える。目立っていた葉脈も消える。以前は全く別物と思っていた。
5月下旬ごろから花が咲き始める。網フェンスにびっしり絡みついて、たくさんの花を付けていた。ジャスミンに似た甘い香りがある。
筒状の花は5つに裂けて反り返りそれぞれ丸まって、5回回転対称(中心を軸として回転すると72度ごとに同じ形になる)のスクリュー状になる。このような形の花は珍しいのではないか。中央部が赤茶色に色づいてすぼめた唇のように見える。
半日陰のような場所に多いのであまり目立たないが、じっくり見ると個性的でなかなか良い。