植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

テイカカズラの花

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 以前テイカカズラの幼木について紹介したが、成樹になってこれほど印象が変わる植物も珍しい。初めのころは蔓(つる)から気根を出して木の幹を這い上る。成長とともにへばり付いていた丸っこい葉は幹を離れ、披針型(笹の葉のような形)に姿を変える。目立っていた葉脈も消える。以前は全く別物と思っていた。

 5月下旬ごろから花が咲き始める。網フェンスにびっしり絡みついて、たくさんの花を付けていた。ジャスミンに似た甘い香りがある。

 筒状の花は5つに裂けて反り返りそれぞれ丸まって、5回回転対称(中心を軸として回転すると72度ごとに同じ形になる)のスクリュー状になる。このような形の花は珍しいのではないか。中央部が赤茶色に色づいてすぼめた唇のように見える。

 半日陰のような場所に多いのであまり目立たないが、じっくり見ると個性的でなかなか良い。