6月の陽射しは強いが、大気はまだヒンヤリしている。場所は東京都町田市薬師池公園の花菖蒲園。様々な色の花が咲きそろってきた。まだ七分咲きといったところだが、葉や水面とのバランスがちょうどよいと思う。手前の花は花弁が上がって蝶のように見える。
アヤメ、ショウブ、カキツバタはよく似ている。大きく分けて、アヤメは乾いた土、ショウブとカキツバタは水辺に生える。それぞれ花の模様の特徴も異なるが、品種のバリエーションの方が大きく区別はあまり意味がない。
ノハナショウブ(野花菖蒲)という原種が日本の東北地方を中心に自生している。濃い赤紫の花弁の基部に黄色いスジが入っているそうである。有名な尾形光琳の「燕子花(カキツバタ)図」は江戸時代初期であるが、江戸時代に原種から大々的に改良された。よほど日本人の感性に響くものがあったのだろう。