植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ハナショウブ

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 6月の陽射しは強いが、大気はまだヒンヤリしている。場所は東京都町田市薬師池公園の花菖蒲園。様々な色の花が咲きそろってきた。まだ七分咲きといったところだが、葉や水面とのバランスがちょうどよいと思う。手前の花は花弁が上がって蝶のように見える。

 アヤメ、ショウブ、カキツバタはよく似ている。大きく分けて、アヤメは乾いた土、ショウブとカキツバタは水辺に生える。それぞれ花の模様の特徴も異なるが、品種のバリエーションの方が大きく区別はあまり意味がない。

 ノハナショウブ(野花菖蒲)という原種が日本の東北地方を中心に自生している。濃い赤紫の花弁の基部に黄色いスジが入っているそうである。有名な尾形光琳の「燕子花(カキツバタ)図」は江戸時代初期であるが、江戸時代に原種から大々的に改良された。よほど日本人の感性に響くものがあったのだろう。