梅雨の晴れ間に郊外を歩くと、雑木林の一部が白い布(きれ)が散っているようになっていることがある。よく見ると瑞々しい黄緑色の葉が部分的に白くなっている。病的な白さではなく花びらのようにも見える。調べるとハンゲショウという植物であった。
画像は民家の庭に植えられていたものだ。高さは1mぐらい。ドクダミ科の多年生草本である。葉の間の白い小さな穂のようなものが本来の花で、その周りの葉が白くなって花びらの代わりをして虫を呼ぶ。なお、花が終わると葉は緑色に戻るそうである。
ところで、ハンゲショウという変わった名前の由来だが、昔の暦(こよみ)で夏至のあと数日経った7月2日ごろを「半夏生」(はんげしょう)といい、その時期に咲く花であるためという。梅雨も後半になって、夏が半分生じるとはうまく言ったものだ。また、葉の一部がお白粉を塗ったように白くなるので「半化粧」、という艶っぽい説もある。