植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ナガミヒナゲシの実

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 キキョウソウの周囲に、ナガミヒナゲシの枯れた花穂がたくさん風に揺れていた。ついこの間までオレンジ色の花が咲き誇っていたのに、今はもう白っぽく枯れている。奇妙な形で、ちょっとシュールな眺めである。

 実が細長いところが園芸種のヒナゲシとの違いであり、名前の由来だ。実の先が断ち切られたようになっていて、円盤形のフタのようなものがついている。キューバの民族楽器のコンガみたいな形だ。フタに8~9分割の線が入っているのが面白い。ちなみに、ケシ科だが、麻薬の類は含まれていない。

 この実にはいわゆる「ケシ粒」のような微細な種が1000個以上も入っている。フタの下にすき間があって、揺れると種がこぼれる。

 隣のキキョウソウも、ひょろ長い茎に下の方からズラリと種の入った実が並んでいる。

 どちらも風に揺られることで周囲に広く種を蒔くわけである。ただ無意味に揺れているわけではないのだ。これらの植物が空地にあっという間に広がるメカニズムだ。カワイイ花だが、この抜け目のなさが雑草扱いされる理由でもあろう。