植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ヒメヒオウギズイセン

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 7、8月に咲き、夏の訪れを告げる花の一つである。民家の庭先などによく植えられているが、丈夫でほとんど野生化している。草むらの中の朱色は目立ち、群落になっていると結構見応えがある。

 漢字で姫檜扇水仙。雅(みやび)な名称だが、南アフリカ原産種を基にヨーロッパで作られた園芸種だそうだ。明治期に導入されたため和風の名前になったのであろう。ちょっと長くてくどいのは似た名前の植物が色々あるせいだ。日本に自生するアヤメ科のヒオウギとは近縁であり、スイセンの仲間ではない。

 この花を見ると紅縞瑪瑙(べにしまめのう、サードニクス)という宝石を思い浮かべる。美しいものは半透明で緋色~朱色をしており、花の色とそっくりだ。真夏の太陽との連想からか8月の誕生石の一つである。