植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ヤブミョウガの花

f:id:M_majipan:20190731120836j:plain

 近場の丘陵地や台地の谷(谷戸、やと)や段丘崖の斜面などに結構多い。藪の中や林縁などの暗がりに群生している。いずれも水が湧いているような湿った場所である。名前は「藪のミョウガ」だがツユクサの仲間で、ショウガ科のミョウガとは異なる。ミョウガに似た葉はツヤが強くてビニールのようだ。

 変わった形の白い花を咲かせる。白色半透明で分かりにくいが、花弁とガクが3枚ずつある。ツユクサ類の特徴である三角形の花である。

 長い柱頭を持つ雌シベが一本と黄色い葯が付く雄シベが六本ある。花弁が落ちると、ガクが雌シベの柱頭を長く伸ばしたまま閉じる。これが奇妙な形に見える。この後実が膨らんできて白っぽい紺色の丸い実になる。

 湿った暗がりで咲く花は、どうしても地味で陰気な感じになる。しかし、日本古来の植物であり、「わび・さび」みたいな情緒に通じるような気がする。