ヘビイチゴの仲間で、やはり小さな赤い「イチゴ」ができる。ただし、蛇のイチゴだから食べようとする人はいないだろう。黄色い花が鮮烈であるが、普通のイチゴは花が白い。右下に延びる赤黒い線はツルだ。
ちょっと見にくいが、五弁の花のガクの下に、さらに取り巻くように大きな副ガク片が付くのが特徴。二重のガクは黄色い花を引き立てる。なんとなく織田信長の「五弁木瓜(ごべんもっこう)」の紋所を思わせる。
花の中央部の丸い部分(花托、かたく)が膨らんで赤くなりイチゴの実になる。黄色い粒に見える部分が本来の花である。これがやがて実の表面の種になる。実は毒ではないが、味もないとのこと。
名前は、薮に生えているヘビイチゴの意味だ。林の中の薄暗くてジメジメしたヘビが出そうな場所に生えているので、うかつに赤い実に手を出すとやられる。これが「ヤブヘビ」の語源、というのはウソ。