植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

カラスウリの花:朝

ウリ科で、原産地は中国・日本。林の中やヤブなどで他の木に絡みついて成長する。名前の由来は、食べられない(役に立たないという意味)からとかカラスが好むからとかいわれる。秋の朱色の実は良く目立つが、花も相当奇抜である。 花は夜に咲く。5枚の白い…

アオツヅラフジ

猛烈に暑い日々が始まった。たまに集中豪雨のような1日もあるが、その後は蒸し風呂状態になってたまらない。近場を歩いてみても、今の時期野の花は少なく、イネ科の雑草が幅を利かせているばかりだ。 繁茂する草むらの中で薄緑色の小さな花と緑の実を見つけ…

セイバンモロコシ

郊外のマンション群の道路沿い。赤っぽい花穂のススキのような植物が群生していた。草丈は人の身長ぐらい。葉はススキそっくりである。 イネ科モロコシ属の多年草。モロコシ(蜀黍)は穀類の一種で、トウモロコシとは別系統である。セイバンとは西播(蛮)と…

イヌゴマ

これも夏草に埋もれて咲いていた。周囲の緑が濃いので薄いピンク色でもよく目立つ。下側の花弁に紅い斑点があり、イチゴアイスと思うと涼しげだ。 シソ科でオドリコソウの仲間である。日本全国と東アジアに分布する。水田の周りなどやや湿った場所に生える。…

ジャコウアゲハの幼虫

昨年の今頃ウマノスズクサを撮った場所に行ってみた。花は咲いていたが、どこか妙な感じである。見ると黒い芋虫が付いていて葉をモリモリ食べている。ジャコウアゲハの幼虫とすぐわかった。実際に見るのは初めてだ。 アゲハの仲間である。幼虫は4-5㎝ぐらい…

ダイコンソウ

草むらの中に点々と鮮やかな黄色の花が目立つ。花が少ない今頃は貴重である。最初は全体の印象からキンポウゲの仲間かと思われたが、花びらの感じや実の形が異なるようだ。 じつはバラ科で、全国の丘陵地や山地の林縁や草地に分布する。草丈は50㎝程。五弁の…

ヤマユリの花2022

昨日の土砂降りの雨の後、今日は昼前から晴れて久しぶりの夏空だ。街も木々も雨に洗われて爽やかに見える。梅雨末期から盛夏の始まりの今ごろ、近場の花といえばヤマユリだ。 日本固有種のユリである。驚くほど大きな花で香りも強い。多摩丘陵では丈が高くて…

いつの間にかエノコログサ

7月半ばにしてまた梅雨が戻ってきたようだ。ふと道路沿いの空き地を見るとエノコログサの花穂であふれかえっている。つい最近までは見えなかったと思う。最近の高温と雨で一気に伸びてきたようだ。 ここは春先からカラスノエンドウが群落になっており、それ…

アキノタムラソウ2022

この花を取り上げるのは3度目だ。透明感のある薄紫色が涼しげで好きな花である。オオバギボウシなどとともに、谷戸(やと)の林縁に夏草に埋もれて咲いていた。丘陵地の半日陰のような場所に多い植物である。 シソ科。春のホトケノザなどと異なり、長い花穂…

エゾノギシギシの実

拡大写真をいきなり見せられると、ちょっと不気味な宇宙生物のようだ。こういうのが蠢(うごめ)いて、たかってきたら嫌だなと思う。じつはごく一般的な雑草の実である。 これも緑一色だ。タデ科。ヨーロッパ原産で広く日本に帰化している。名前の「エゾノ(…

アオガヤツリ

早い梅雨明け後猛烈に暑い日が続いた。そんな時、植物で一番元気なのはカヤツリグサ科とイネ科である。道路沿いに大いに繁茂している。よく似たものが多く見分けるのに苦労するが、画像のものはアオガヤツリ(青蚊帳吊)と思われる。地味ではあるが、近づい…

チダケサシの花

多摩丘陵の谷戸(やと)の渓流沿い。緑滴る雑木林の縁で薄紅色の花が目立っている。アリや甲虫が集まっているのは蜜が多いからか。 ユキノシタ科。葉は2-3回奇数羽状複葉という複雑な形だ。草丈50-60㎝。花弁は5枚。細かい花が棒状に並び全体に円錐形の花序…

オオバギボウシの花

先週多摩丘陵のオオバギボウシ(キジカクシ科)を紹介した。あの時はまだ花茎が伸び切っていなかった。その後関東地方は梅雨明けして猛烈に暑い日が続いた。1週間経った今日見に行くと、花茎が長く伸びて花が咲き始めていた。 ギボウシの名の元になった擬宝…

ビロードモウズイカ

広い歩道のコンクリートとアスファルトの間にズボンッという感じで立っている。薄緑色の微細な毛におおわれており、見た途端この名前が浮かんだ。図鑑等で知ってはいたが実際に見たのは初めてだ。描いていたイメージ通りの存在感だ。 ゴマノハグサ科の2年草…

オオバギボウシ

野山に自生するギボウシを求めて多摩丘陵を歩いてみた。谷間(谷戸やと)の小道を登っていくと路側の林縁にそれらしき葉がある。ただしギボウシよりかなり大型で30㎝以上ある。葉は長めの柄(え)があり、表面の葉脈が印象的である。そこから花穂のようなも…

ギボウシの花

マンションの中庭に植えられていたもの。キジカクシ科でジャノヒゲなどの仲間。かつてはユリ科に分類されていた。日本固有種。林縁、林内に自生する。日陰でも元気に育つので古くから栽培されている。 筒形の花はラッパ状に広がり六裂する。長さ4~5㎝。蒸し…

ムラサキシキブ

紫式部。雅(みやび)な名前だが、秋に紫の実をたくさんつけるので、ムラサキシキミ(紫重実)と呼ばれていたものが変化したとのこと。6月上旬からの花も薄赤紫の花びらと黄色い雄シベが美しく、甘酸っぱいような独特の香りも印象的である。 シソ科で、樹高2…

夏羽のコサギ

いつもの街中の川。カルガモがのんびり泳いでいる。今日はコサギが水の中を歩いているのを見た。純白の羽色は目立ちいつ見ても優雅だ。時々姿を現すが、すぐいなくなってしまう。 不鮮明な画像で申し訳ないが、後頭部の長い冠羽は2本ある。また尾羽の上部に…

コゲラ(小型のキツツキ)

住宅街のマンションの前。玄関のアプローチにシンボルツリーというのだろうかアカシアの木が植えてある。今日見ると周囲に木くずのようなものが散っている。なんだろうと思って見あげると、3~4m上の方に小さな生き物がチョコチョコ動いている。木に開けた…

オオキンケイギク

もう一月ぐらい街のあちこちで鮮やかな山吹色の花がみられる。生えていたのは郊外のマンション群にある建設予定地?の空き地だ。ほかには街中の川の護岸などにも群生していた。とにかく開けて明るい場所を好む植物である。夏中咲き続ける。 大金鶏菊と書き、…

ザクロの花

街中でも庭木としてよく見かける。ザクロは果物の一種だが、私には子供のころに食べて酸っぱかった記憶がある。もっぱら観賞用のものではないか。花も実も個性的で、強烈な印象を受ける。 樹高は5-6mになる。今頃、枝先に直径5㎝ぐらい朱赤色の花を付ける。…

ニワトコの実

多摩丘陵の雑木林の縁で見つけた木の実である。今の時期、緑の木の葉が茂る中で、ツヤのある赤い実が多数集まっている様子は鮮烈な印象を受ける。 花は春3-4月で、大きな花序に白い小さな花を多数つける。葉は対生し、奇数羽状複葉。葉の付いた枝のように見…

テリハノイバラ2022

近場の野バラの中では一番遅く、大型の花を咲かせる。径4㎝程もある。今年も開花シーズンがやってきた。日本に自生するバラの原種の一つである。華やかな栽培種にない素朴な風格が漂っていて好きな花である。 花びらの質がもろくて壊れやすく、本来のハート…

雨に咲く花?

梅雨入りしてから肌寒い雨の日が続いている。近所を歩いていたら空き地の草むらの中に奇妙な花のようなものを見つけた。四弁で径1㎝ぐらい。枯葉のような色をしており、赤っぽい緑色の茎に沿って並んでいる。よく見るとあたりにたくさんある。 一部に花が残…

ヤマザクラのサクランボ

4月に満開の花で楽しませてくれたヤマザクラ。今は葉桜になっており、サクランボができていた。そういえば山形県のサクランボも今頃だ。ずっと小さいが楽しくなる瑞々(みずみず)しい色合いは同じである。薄黄色→橙色→赤→濃い紫色と変わっていく。大きさは…

カモガヤ

イネ科の多年草。草丈1m以上になる近場では大型の雑草だ。イヌムギなどより少し遅く今頃、路側や空き地で盛んに繁茂している。花粉症の原因の一つ。困ったものである。 小穂は3~5個の白緑色の小花から構成される。花穂は下に行くほど花柄が長くなり、全体に…

キツネアザミの花がら

草むらの中から枯れた花のようなものがいくつも突き出している。よく見ると花びらに当たるところが金属的に光っていて金色に見える。拡大するとなかなか美しい。一部綿毛が残っており、以前の記憶から考えてキツネアザミの花後の姿と思われる。 花がらとは咲…

カラフルな雑草

道端のアスファルトのすき間から生えていた雑草2種。立ち止まって観察してみると、紫と赤色の取り合わせがなかなか良い。 紫の花はヒナキギキョウだ。キキョウ科の在来種で、草丈は30㎝くらい。先端に一輪だけ花を付けるのが特徴。茎の途中に並ぶのは閉鎖花…

ナツグミ

丘陵地の林縁などでよく見られる低木である。葉や実に白い毛が細かい斑点状についており、全体に銀白色を帯びて見えるのですぐわかる。枝にも茶色や銀白色の鱗片がある。枝にトゲがあるので注意。 グミ科で日本の野山に自生。初夏の今頃目立つ赤い実がなるの…

ハクチョウゲ(白丁花)

これも民家の生け垣などでよく見かける。花が小さいため存在感が薄いが、近づいてよく見るとなかなか凝った花である。ラッパ型の花は直径1㎝くらい。花弁は5-6裂してフリルが入っている。色も純白ではなく薄っすら赤紫の模様がある。ずっと小型だがツツジの…