植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ムラサキシキブ

紫式部。雅(みやび)な名前だが、秋に紫の実をたくさんつけるので、ムラサキシキミ(紫重実)と呼ばれていたものが変化したとのこと。6月上旬からの花も薄赤紫の花びらと黄色い雄シベが美しく、甘酸っぱいような独特の香りも印象的である。

 

シソ科で、樹高2~3mの落葉低木。日本全国の低山の森林に自生する。小ぶりのサクラに似た葉は毛がなくツヤもない。木全体に柔らかく優しい感じである。そのため他の木々の間に紛れるとどこにあるのかわからない。

 

街中でよく見かける類縁の園芸種コムラサキと比べると花も実も控えめ。しかし今の時期は香りで所在が分かる。丁寧に見ていくと多摩丘陵の雑木林では意外に多いことが分かる。