近場の野バラの中では一番遅く、大型の花を咲かせる。径4㎝程もある。今年も開花シーズンがやってきた。日本に自生するバラの原種の一つである。華やかな栽培種にない素朴な風格が漂っていて好きな花である。
花びらの質がもろくて壊れやすく、本来のハート形のものはほとんどない。雑木林の縁などで他の植物に交って生えている。日当たりが良くないせいか花は小型で形も良くない。この花はたまたま崖から突き出していて条件が良かったようだ。
日本の本州以南と東アジアに自生する。葉は小型の奇数複葉で、大体9枚の小葉からなる。葉は濃緑色で著しい光沢があり、テリハ(照葉)の名の由来となった。根元から出たツルはほとんど枝分かれせず地を這って長く伸びる。