郊外のマンション群の道路沿い。赤っぽい花穂のススキのような植物が群生していた。草丈は人の身長ぐらい。葉はススキそっくりである。
イネ科モロコシ属の多年草。モロコシ(蜀黍)は穀類の一種で、トウモロコシとは別系統である。セイバンとは西播(蛮)と書き、昔の中国から見て西方の野蛮国を意味するが、原産地ははるかに遠く地中海沿岸である。日本では第二次大戦後急激に増えて帰化している。毒成分を含むので牧草には向かず、繁殖力旺盛なため厄介な雑草と化している。
花穂は長さ5㎜ぐらいの小穂からなり、有柄と無柄のものが混じる。小穂から出ている赤いブラシ状のものは雌シベ、オレンジ色の短冊状のものは雄シベだ。無柄のものには普通ノギ(針のような長いトゲ)が付く。拡大してもノギが見えないので、ノギのない型(ヒメモロコシ)と思われる。