早い梅雨明け後猛烈に暑い日が続いた。そんな時、植物で一番元気なのはカヤツリグサ科とイネ科である。道路沿いに大いに繁茂している。よく似たものが多く見分けるのに苦労するが、画像のものはアオガヤツリ(青蚊帳吊)と思われる。地味ではあるが、近づいてみると花の造形が目を引く。
花穂は小穂(しょうすい)という複数の花を含む鱗片が重なったものが単位になる。長さ5㎜ぐらいの平べったい紡錘(ぼうすい)形をしている。拡大すると鉱物の結晶のような不思議な質感である。私が知っているものでは斧石(おのいし)という鉱物に似ている。
10~20㎝の花茎の先に3~5枚の長い葉が付き、その上に小穂が径2㎝ぐらいの球状に集まる。そこから6,7本の花茎を出してさらに球状の塊を付ける。分散する線香花火の火花のようだ。
他のカヤツリグサの仲間は小穂が茶色っぽい。画像のものは緑一色であり、これが名前に「アオ」と付いている理由だ。「青」葉というように緑色の意味である。